2025年9月26日、YMfgセミナーパークにて行われた
介護労働者雇用管理責任者講習にて、弊所/石﨑が講師を務めました。
当日は、山口県内各地から22名の方にご参加いただきました。
参加者は、経営者・管理部門の方と、現場の管理職の方が半々のような構成で、
参加者の所属事業所の職員規模も、デイサービスや訪問介護などの小規模事業所から、
特別養護老人ホームや老人保健施設など複数を展開される大規模事業所まで様々でした。
今回のテーマは
「職員対応と労働法~より現場に近い管理者等に求められる3つの管理~」。
経営者や管理部門だけでは目が届きにくい労務管理を、
現場管理者の理解を深め、それをどのように担って頂くかに焦点を当てました。
内容として、大きく3つ用意しました。
1.勤怠管理
2.期間管理
3.健康管理
勤怠管理では、
福祉業界の多くが採用する1カ月単位の変形労働時間制について、
それを無効とする裁判例が相次いでいる背景を解説しました。
また、最低賃金上昇と扶養の範囲での働き方の調整、
子の看護等休暇の取得理由拡大に伴う希望休の増加など、
シフト作成時に頭を悩ませる事項についての解説を加えました。
その際行ったグループワークでは、
希望休や有給取得を踏まえたシフト作成の現状と工夫を意見交換して頂きました。
期間管理では、
試用期間、雇用契約期間、休職期間、休業期間といった
期限が設定された労務管理を、現場管理者がどのように関与すべきかを検討しました。
グループワークでは、有期雇用契約職員Aと雇止めをテーマに
検討事項、スケジュール、役割分担を話し合っていただきました。
重いテーマでしたが、参加者のみなさまが、雇止めを前提とするのではなく、
様々な角度から検討を行う姿勢、その際の改善・注意指導のあり方を真摯に話し合う様子に、
現場のバランス感覚の高さを実感しました。
健康管理では、
職員採用時の健康状態確認、妊産婦への配慮と母性健康管理指導事項連絡カードの活用、高齢職員の労災増加、経験者と未経験者の教育格差などを取り上げました。
時代の変化に伴い、現場では日々新たな課題が生じます。
弊所では、そうした「今、困っていること」を研修テーマとして取り上げ、
法的根拠を踏まえながら、現場で活用できる視点を参加者のみなさまと共に学ぶ
「場づくり」を大切にしています。
本日の研修内容が、参加者のみなさまのお役に立てれば幸いです。